化学メーカーで働く魅力、身に付くスキルなど解説

化学

こんにちは!ぼりたそです!

今回は化学メーカーで働く魅力や身に付くスキルについて解説していきたいと思います。

私自身、化学メーカーで働いて数年になりますので、業界について詳しくなったと自負しております。その中で化学メーカーに勤めてよかったことや反対に嫌だと思ったことなど赤裸々に話したいと思います。

この記事は以下のポイントでまとめています。

Point
  • 化学メーカーとは
     
  • 化学メーカーの職種
     
  • 化学メーカーで働くメリット、デメリット
     
  • 化学メーカーで身に付くスキル

それでは詳細に説明していきます。

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化学メーカーとは

まずは化学メーカーについて簡単にご説明します。

化学メーカーとは一般に製造産業において部品や最終製品を作るための素材や材料を製造、販売する会社となります。下の図に示すようにものづくりを川の流れに例えると、原料〜材料の製造に当たることが多いです。

大きい企業だと原料から最終製品まで手掛けることもありますが、稀なケースになると思います。

図にあるように化学メーカーは一般消費者相手というよりは主に企業相手にビジネスを展開するため、BtoB企業ということになります。

化学メーカーで製造する材料は最終製品に対して高機能性を付与することを売りにしており、差別化が図りやすくニッチな産業になりやすい業界と言えます。

化学メーカーの職種

次に化学メーカーの職種について解説していきます。

化学メーカーで働くとなると、まずは研究職を思い浮かべる方も多いかと思いますが、実は研究職以外にもさまざまな職種(部門)が存在しており、自分がどの職種で働きたいのかを決めておいた方がいいでしょう。

化学メーカーにおける主な職種としては以下の通りとなります。

  • 研究職
     
  • 研究開発職
     
  • 生産技術職
     
  • 品質保証
     
  • 営業職
     
  • 知財関連

順に説明していきます。

研究職

まずは研究職について説明します。

化学メーカーと言ったら研究職を思い浮かべる人が多いように、やはり研究職は花形の職種になります。

会社の製品技術に直結する部門なのでやりがいもありますし、常にお客さんがいるわけではないので厳しい納期なども特にありません。

主な業務としては、大学と連携して基礎研究をおこなったり、学会で発表したりなど大学での研究室で行っていたようなことがメインになるかと思います。

一方で研究の芽が出るまでに数年単位の時間が必要だったり、製品開発としての成果があまり目に見えないので、モチベーションを維持しにくい人もいるかもしれません。

自分のペースでコツコツ進めたり、研究自体が好きという人に向いている職種と言えます。

研究開発職

次に研究開発職について説明していきます。

研究開発職は研究職で得られた知見をどうやって製品にするかということを考える職種になります。

なので、研究職のように基礎研究を行うのではなく、目の前の市場に対して具体的な製品(ソリューション)を提供していくことになります。

企業によっては研究職もまとめて研究開発職としているところもあるようです。

お客さんと近いところで働くことになるので、製品の採用可否など自分の働きに対して結果が見えやすくモチベーションを保ちやすいというメリットもあります。

一方で、お客さんと近いということは製品開発の納期があったり、時には無理難題な課題を突きつけられたりするので、人によってはストレスを抱えやすいこともあるようです。

実際にお客さんと会い、お客さんの悩みを解決することが楽しいという人には向いているかと思います。

生産技術職

次に生産技術職について解説していきます。

生産技術職は研究技術職が開発した製品をどうやって量産するかを考える職種となります。

製品を販売するにあたり、量産はマストであり非常に重要な職種と言えます。また、製品の量産システムによってコストという数値が結果として見えるため、モチベーションを高く保つことができます。

一方で、お客さんの納期によっては生産を急ぐ必要があったり、主に勤務地が工場となるので、地方への移住が必要となるためストレスが溜まりやすい環境とも言えます。

製造プロセスの構築が主な業務となるので、プロセスのシステム化が楽しいと思たり、量産という会社の重要なポジションに対してやりがいを感じることができる人が向いていると言えます。

品質保証

次は品質保証について解説していきます。

品質保証は製造された製品の品質を担保するための職種になります。

製造された製品がきちんと品質の規格を満たしているかなどを検査するため企業の信用問題に直結するという意味では非常に重要なポジションになります。

意外というと怒られるかもしれませんが、企業によっては品質保証が花形の職種というところもあるそうです。

一方で研究技術や研究職のように直接製品を生み出すような業務はないため、やりがいに困る人もいるようです。

営業職

次に営業職について説明していきます。

営業職は研究技術職が開発した製品をお客さん売り込むのが主な業務となります。

お客さんが抱えている課題に対して解決できそうな製品を紹介するため、時には研究技術職と一緒にお客さんの元へ向かい、商談を進めることもあります。

営業については製品がお客さんに採用されるなど売上という数値が目に見えるため、そこにやりがいを見出す人が多いようです。

一方で客先での接待や、お客さんの納期やコストアップの交渉などもしないといけないため、対人スキルが必要となるでしょう。また、化学メーカーということもあり、少なからず化学系の知識が必要となってきます。

文系の方だと少し障壁になることもあるかもしれません。その辺りは企業が入社後に研修などの場でフォローしてくれるとは思いますが、心に留めておいた方がいいでしょう。

対人スキルが優れている人や交渉力が高い人、相手の悩みや課題を解決するのが好きな人は非常に向いていると思います。

知財関連

最後に知財関連について解説していきます。

知財関連の職種は主に開発した技術を守っていくのが仕事になります。主に研究や研究開発が創り出した技術を特許にするのが仕事になります。場合によっては競合他社が製品販売に困るような戦略的な特許を作成することが必要になってきます。

特許として日本または世界に公開するわけですので、非常に重要な業務となってきます。その分、特許に自分の名前が載ったりなどモチベーションは高く保つことができます。

一方で法律関連の知識が必要となってきますので、化学系の知識+αで研鑽を積む必要があるでしょう。

法律関連の仕事が好きだったり、戦略を立てるのが上手い人が向いていると言えるでしょう。

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化学メーカーで働くメリット、デメリット

次に化学メーカーで働くメリット、デメリットについて紹介していきます。

■メリット

  • 比較的安定した年収
    化学業界はニッチ産業であることが多く、価格競争がそこまで激化するわけではありません。そのため、安定した収益を得ることができ、平均年収も600万~であることが多いです。
  • 労働環境が良い
    部署や職種によってはという前提ですが、割と残業時間が少ないです。四季報を見ても月数十時間であることがほとんどです。しかし、繁忙期として顧客対応をしていると残業時間が増えることもしばしばあるイメージです。また、最近は職場の安全性にも気を遣っている企業が多く、作業安全性という点においても充実していると言えます。また、有給も使いやすく有給取得率も高い傾向にあります。
  • 福利厚生が充実
    職場が地方になることもありますので、住宅手当、扶養手当、など充実しています。また、年間休日も120日を超えている企業が多く、有給は年間20日程度、子供看護休暇、慶弔休暇もあるなど福利も充実しています。

■デメリット

  • 勤務地が地方や海外になることも
    化学メーカーは特に工場の関係から勤務地が地方などの僻地になることもあります。また、国外に拠点を持つ企業も多く、海外転勤もある場合が多いです。家族がいる方は何とか折り合いをつける必要があるでしょう。
  • 納期に追われることも
    部署によっては顧客対応に追われることがあり、納期も厳しいとなると月の残業時間が30時間を超えることもあるようです。
  • SDG’sの風当たりは強い
    最近、特に気にされているSDG’sについて、化学産業はエネルギーを使わずには製品を生み出すことができないため、世間からの風当たりが強い傾向にあります。今はまだ大丈夫ですが、炭素税などが増えていくと経営に大打撃を受ける可能性もあります。

自分の印象では収入や福利厚生は割としっかりとしていますが、勤務地が微妙なことが多く転勤もあるため、家族がいる場合はしっかりと折り合いをつけた方がいいでしょう。

身に付くスキル

最後に化学メーカーで働くことで身に付くスキルについてご紹介します。

化学メーカーで働いていて身について役立ったと思うスキルは以下の通りです。

  • コミュニケーションスキル
     
  • 文章作成
     
  • プレゼンスキル
     
  • 専門知識
     
  • データサイエンスの知識

順に解説していきます。

コミュニケーションスキル

まず一つ目はコミュニケーションスキルです。

私は研究技術職として働いていますが、普段は開発業務だけをしていれば良いわけではありません。開発方針などを上司と話し合ったり、製品立ち上げの際は工場や営業などとも連絡を取り合わなければいけません。

コミュニケーションスキルと言うと話がうまいとか面白いとイメージしますが、ここで述べているコミュニケーションスキルはきちんと相手に自分の考えていることを伝え、相手に動いてもらうスキルことを言います。

こういったコミュニケーションスキルは必須だったため半ば強制的に身についたのですが、社会人であれば必要なスキルですので良かったと思っています。

文章作成、プレゼンスキル

次に文章作成、プレゼンスキルです。

研究開発職では開発状況であったり報告書を書く機会がたくさんあります。そういった中で重要なことをいかに正確に文章で伝えるかと言うスキルが問われます。

性能が向上したことを伝えたいのに、ただデータだけを載せただけとかやったことを全て書くと言うのは読んでいる上司からしたら何が言いたいのかさっぱり理解できず、結局本人に確認する手間をとらせてしまいます。

そのため、データの取捨選択をして文章も極力短く、わかりやすく書くことを意識していたら上司や他の同僚から文章がわかりやすいと褒められるまでになりました。

プレゼンスキル

次にプレゼンスキルです。

プレゼンスキルは社会人としても必須のスキルとなりますが、化学メーカーに勤めていると自然と身につくスキルになります。

研究技術職にいると上司や顧客に自分の開発している製品がどのように優れるのか?顧客にとってどのようなメリットがあるのか?といった点についてわかりやすくプレゼンする必要があります。

そのため、プレゼンのストーリーから考え、それに必要なデータを揃えてプレゼン資料にすることが以前より楽にできるようになり、周りからも中々評判の良い資料が作れるようになりました。

プレゼンスキルが高いと重要な技術発表会や顧客での製品説明の場でプレゼンする機会が与えられ自分の評価も上がっていくことになるので、非常に身について良かったと思えるスキルです。

専門知識

次に専門知識です。

言わずもがなですが、研究開発をしていると嫌でもその研究分野の知識が蓄積されていきます。

知識が蓄積されていくほど専門性が高くなっていき、人材としての市場価値も上がることになります。

自分は主に研究分野の論文や特許を読み漁ることで知識を蓄積しています。また、学会や展示会などで情報収集なども行うことで業界の周辺知識も蓄えるようにしています。

専門知識を高めることはそれだけ市場価値を上げることになるので、転職する際にもきっと役立つはずです。

データサイエンスの知識

最後にデータサイエンスの知識です。

最近では化学の研究技術でもデータサイエンスの知識を必要とする時代になってきました。

データサイエンスと使用する例として、統計学を基にしたデータ分析やPythonなどのプログラミング言語を使用した機械学習など業務で使用することなどが挙げられます。

普段からこういったデータ分析業務をすることにより自然にデータ処理やデータの解釈ができるようになり、業務効率化につなげることができています。

とはいえ、私は偶然データサイエンスを使用する業務に就いていましたが、まだまだ浸透していない部署も多くあり、企業全体として浸透するまでに数年はかかりそうな気がしています。

しかし、将来必ず必要となるスキルになりますので、しっかりと身につけていく必要があると思います。

最後に

以上が化学メーカーで働くことの魅力や身につくスキルについての紹介になります。化学メーカーは優良企業が多く、福利厚生もしっかりしていますが、勤務地などの問題もありますので、良い部分だけ見ずにしっかりと悪い点も把握した上で就職や転職をしていただければと思います。

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