【初心者向け】ベイズ最適化についてわかりやすく説明

インフォマティクス

こんにちは!ぼりたそです!今回はベイズ最適化について初学者の方に向けてわかりやすく説明した記事を作成してみました。

この記事は以下のポイントでまとめています。

Point
  • ベイズ最適化とは?
     
  • ベイズ最適化のメリット、デメリット
     
  • ベイス最適化のプロセス
     
  • オススメの書籍

それでは詳細に説明していきます。

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ベイズ最適化とは?

ベイズ最適化とは機械学習の手法の一つであり、現状のデータから効率的に目標値を達成できる最適化手法となっています。

昨今だとMI(マテリアルインフォマティクス)など材料化学の分野で見かけることが多いのではないでしょうか。

材料化学であると原料の比率を最適化して目標の物性を達成する目的としてベイズ最適化を使用したりします。

もう少しわかりやすく例えると、あなたが料理人でありスープを作りたいとします。調味料は塩、コショウ、酒、みりんであり、任意の比率で美味しいスープが作れるとします。

この調味料の比率を高効率で最適化できるのがベイズ最適化になります。

ベイズ最適化のメリット、デメリット

次にベイズ最適化のメリット、デメリットについて解説します。

まずはメリットについて以下にまとめます。

メリット

  1. 効率的な最適化:
    評価に時間やコストがかかる場合でも、ベイズ的な更新により、少ない評価回数で最適解を見つけることができます。

  2. 不確実性の推定:
    ガウス過程回帰などを用いて、目的関数の不確実性(分散)を推定できます。これにより、目的関数の性質をよりよく理解し、最適化をより安定して行うことができます。

  3. アクティブラーニング:
    ベイズ最適化では、次に評価する点を選択する際に、不確実性が高い領域や最適解があると予測される領域を優先的に評価できます。これにより、評価回数を最小限に抑えながら探索を効率化できます。

  4. パラメータチューニング:
    機械学習モデルのハイパーパラメータ調整においても有用で、過学習を防ぎながら、最適なパラメータを見つけることができます。

次にデメリットについて以下にまとめます。

デメリット

  1. 計算コスト:
    ガウス過程回帰など、ベイズ最適化の手法は計算コストが高いことがあります。特に高次元のパラメータ空間では計算コストが高い場合があります。

  2. ハイパーパラメータの設定:
    ベイズ最適化自体にもいくつかのハイパーパラメータが存在し、適切な設定が必要です。これらのハイパーパラメータの最適な値を見つけることも課題となります。

  3. 局所最適解への収束:
    ベイズ最適化は探索的な性質を持つため、局所的な最適解に収束する可能性があります。そのため、大きな探索領域では最適解を見逃すリスクがあります。

以上がベイズ最適化のメリットとデメリットになります。メリットに目がいってしまいますが、デメリットも許容した上で使用する必要がありますね。

特に局所解への収束はよくあることなので、気をつける必要があります!

ベイズ最適化のプロセス

最後にベイズ最適化のプロセスについてご説明します。

ベイズ最適化のフローとしては下に示すように大きく5つになります。

  1. 事前実験
     
  2. サンプルの評価
     
  3. ベイズ的な更新
     
  4. 次のサンプル選択
     
  5. 反復
     

ここでは先ほどと同様に料理のレシピに例えてご説明していきます。

あなたは料理人であり美味しいスープを作りたいと思いました。調味料は塩、コショウ、酒、みりんの四種類です。この調味料を組み合わせて美味しいスープを作るためにベイズ最適化を用いてレシピを考えることにしました。

それではベイズ最適化のプロセスについて順番にご説明していきます。

1. 事前実験

最初に、料理の材料の範囲を考え、可能性のあるレシピをいくつか考えます。これは経験や推測のもと当たりをつけたもので構いません。そのレシピに従ってそれぞれスープを作ります。

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2. サンプルの評価

次に考案したレシピに従って作ったスープの試食を行います。そして、レシピに対する美味しさの評価を記録します。

3. ベイズ的な更新

試食結果を元に、レシピの美味しさの事後分布を計算します。事後分布については予測値と誤差を含んだグラフとお考え下さい。

この事後分布によって、まだ試していないレシピの美味しさを推測することができます。

もう少し詳しいことを説明しますと、事後分布はガウス過程回帰という手法を使用して取得しています。

ガウス過程回帰は評価指標の予測値と誤差を表現することができるため、目標値を達成する確率が高い組み合わせを見つけることができます。

詳細は以下の記事にまとめていますので参考にしていただければと思います。

4. 次のサンプル選択

事後分布を元に、次に試すレシピを選択します。美味しさが高そうなレシピや、未知の組み合わせを含むレシピを優先的に選択して試します。

ちなみにもう少し詳しく説明すると事後分布から美味しくなるような次のレシピを選択するために獲得関数というものを使用します。詳しくは以下の記事に書いてありますので、興味のある方はご参照ください。

5. 反復

ステップ2からステップ4を繰り返し、美味しいレシピを見つけるための試行錯誤を続けます。これにより、少ない試食回数で美味しいレシピを見つける確率が高まります。

以上がざっくりとしたベイズ最適化のプロセスとなります。イメージを掴んでいただければ幸いです。

プログラムを使用したベイズ最適化について以下の記事にまとめていますので、よければ参考にしていただければと思います。

オススメの書籍

最後にベイズ最適化についてもっと知りたい方に向けてオススメの書籍をご紹介します。

以下に紹介する「Pythonで学ぶ実験計画法入門 ベイズ最適化によるデータ解析」では初心者にも非常にわかりやすいようにベイズ最適化について説明されています。

もちろん、獲得関数やガウス過程回帰についても書かれており、実際にGithubからPythonコードとデータセットを取得できるので、自分で実践しながらベイズ最適化について勉強することができます。

また、ベイズ最適化以外についても機械学習の手法が記載されているので、ご興味のある方はぜひ購入いただければと思います。

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終わりに

ベイズ最適化は非常に便利な手法ではありますが、初めて勉強する方にとっては少しとっつきづらい気がします。そんな方に少しでもイメージを掴んでいただけたら幸いです。

もう少し詳細な数式などを勉強したい方は参考書を読むことをオススメします!

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